大宮盆栽美術館 トラブル続きで注目?入館者数は順調(毎日新聞)

 「聖地」に建つ世界初の公立施設が揺れている。先月末オープンした「さいたま市大宮盆栽美術館」(同市北区)。初日に館長が就任辞退を表明したり、評価額計5700万円の展示予定だった高級盆栽3鉢を枯らしたりトラブル続き。出はなをくじかれたかと思いきや、知名度が上がったこともあり入館者数は逆に順調だという。盆栽の聖地で何が起きているのか。【稲田佳代、鷲頭彰子】

 3月28日、落成式のテープカット。上田清司知事や清水勇人さいたま市長らの横に「主役」の姿はなかった。

 館長の大熊敏之氏(51)だ。富山大准教授(日本近世近代美術史)で、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」にも出演、08年12月から開設準備委員長などを務めてきた。ところが、開館2日前に受け取った委嘱状を落成式直前に突き返し、就任辞退届を出した。職員の配置や予算不足などが解消されていない「準備不足」が主な理由。しかし3日後、市長と会談、館の整備や充実の約束を取り付けると一転、辞任を撤回した。

 さいたま市は実は国際的な盆栽の街だ。美術館近くの住所は「北区盆栽町」。町内に六つの盆栽園が集まり、年間約20万人、海外からも年間約1万人が足を運ぶ。人気を当て込み市は07年から10億3400万円かけて、美術館と庭園を建設。同年末には栃木県の私設盆栽美術館から盆栽100鉢と掛け軸などを5億円で購入した。「盆栽より福祉充実を」との批判も起きたが、相川宗一市長(当時)は、「文化を守り育てるのは大事」とかわした。事前の評価額が、最も高価な樹齢450年の「日暮し」で1億円を超すなど計20億円だったとして「いい買い物」と強弁した。

 ところが昨年7月になって、管理を委託していた盆栽園で事前の評価額がいずれも1500万円以上の「双龍」と「鳴鳳(めいほう)」が枯死。樹齢800年のエゾマツ「靖国」は購入前から虫害で枯れていたことも発覚した。

 「準備期間は5年くらい必要なのに、1年半では短すぎる」(大熊館長)上に、この問題が起きたため、処理に追われ、混乱に拍車がかかった。しかし、例年、ゴールデンウイークに開かれている盆栽祭りの前にオープンしたいという市の思惑もあり、開館延期はできなかった。結果、大熊館長が指摘していた「喫茶室や案内板の整備」もできないままで、「準備が後手に回った」と市幹部は話す。

 美術館は入館料一般300円で、最寄りはJR宇都宮線土呂駅と東武野田線大宮公園駅。年間入館見込みは5万人だが、今月20日までで約9800人と約2割に達した。清水市長が開館日に「いろいろあったので知名度が上がっている」と語った通りの効果のようだ。しかし埼玉県朝霞市から来た男性(58)は「駅からの案内表示が分かりにくい。ありがたい施設だが、まずさばかりが目立つのもね」とあきれ顔で話す。

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